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04 ジプシーの香り

2006年4月16日に世界で活躍するトルコのスター、タンエリが来日し、そのショーを観に行ってきました。FMホール前の階段には会場入りを待つ髪の長いお姉さま方がずらーっと並び、その迫力ある光景に、ベリーダンスも随分広まりつつあるんだなぁと感慨もひとしお。

はじめにタンエリがステージに登場してきたときにはその大きさと肉感的な体に圧倒されてしまいました。顔はアメリカのセレブを意識したブリトニー風メイクでかわいらしいのですが、身長はたぶん180cmはあるのではないでしょうか。そして丸みをおびたお腹と豊満な胸とお尻。まさにアマゾネスな肉体の持ち主。やはり世界で活躍するにはこのぐらいのプロポーションでないといけないんですね。

踊りはトレンドを意識し、腰に重心をおいたエジプシャン・スタイルがベースで(今トルコではエジプシャン・スタイルが流行なのだそうです)すが、そこにさらにタンエリ流としか形容できない、個性的な動きも含まれていました。印象的だったのは、インドの流行歌でインド風の踊りを披露していたことです。インドでは逆にベリーダンスの動きを取り入れるのが流行っているらしいので、物騒な政治の世界とは違ってダンス・シーンではどんどん世界がつながって統一されていく感があります。

2セットのショーは見応えもあり、とても楽しかったのですが、なんといっても私が一番感動したのは、アンコールで彼女が共演のアラビック・パーカッション・ユニット「タブラクワイエサ」の太鼓のリズムに合わせて即興で踊り始めたときです。トルコ特有の変拍子のリズムが叩かれると、彼女はハイヒールのままステージに座り、身に付けているきらびやかなスカートを洗う動作を始めました。これはロマ(ジプシー)ダンスの一種で、このロマ・ダンスは、ロマ達の生活の動作がたくさん取り入れられている、とても変わった踊りです。ジプシーダンスと呼ばれ日本でも人気のダンス・スタイルで、私自身も人前でこのダンスを踊ったことがありますが、やはり本物は違うんだ!とジーンときてしまいました。

アンコールなので、緊張も解けたのでしょう。多少疲れの見える、素に近いその顔をうつむき加減に、重い変拍子のリズムに合わせて一生懸命スカートをこするその姿は、まさに彼女の中に脈々と生き続けるロマの血を感じさせました。実際ロマ出身である彼女の祖母やお母さんはこうして毎日川で洗濯をしていたのではないだろうか。生活は貧しく、苦しくとも、常に母なる大地とのつながりを失わず、太陽のような存在として家庭を切り盛りしていたのでは…。そんな想いを抱かせるタンエリのたくましくも美しい太陽のような姿でした。
04 ジプシーの香り
03 二人の女神 エジプトとアメリカのスターダンサー
02 ところ変われば?! 国によって異なるベリーダンスの捉え方
01 トルコってアラブなの?
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